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2005年 11月 17日
コロンビアの片田舎。花工場で働くマリア。 空は明るく青く澄み渡っているけれど、 どことなく埃っぽい、うつろな光景だ。。 貧しく、果てしなく続く変わりのない暮らし。。。 愛していない恋人の子を妊娠した彼女は、 生きるために「運び屋」の仕事を選ぶが。。。 しかしもう、この映画、 一瞬一瞬息つく暇もないほどドキドキなのだ。 彼女がやってることはもちろん法に触れることなのだが、 ひたむきで強く美しいその姿を、 なぜか応援したくなってしまうのだ。 ただ生きるため、望みを託した麻薬の包み。 彼女にとってそれは希望を包み込んだ、 ひと粒の光に思えたに違いない。 もちろん、 そんなものが光になりえるはずはなく、 やがて代わってあたたかな光を放ち始めるのは 彼女の中で育まれつつある命だった。。。 彼女が自らの意志で選び取ってゆくであろう未来は 希望にあふれたものになるに違いない。 が、しかし。。。 この映画が残すのは、 そんな爽やかな感動だけではないのだ。 ラストに彼女をしてこの選択をせしめるコロンビア社会の病理。 グローバルな資本主義の搾取対象となった国の悲惨さ。 先進国の責任は?? 現実を突きつけられ、愕然とした部分もありました。 とにかくいろんな意味で、 多くの人に見て欲しい作品です。
by catcans
| 2005-11-17 17:23
| 日々雑感
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